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新聞には算数がいっぱい!
5年 割合
数を比べるのに、2つの方法があります。1つが「差」で、2つめが「割合」です。
「差」は、加法で比べることで、「割合」は乗法で比べることとも言えます。
この「割合」の学習は、子どもが最もつまずきやすい内容とも言われています。
※数の見方も同様で、「加法の見方」と「乗法の見方」があります。例えば24という数字を、「20と4を足した数」とか「30から6引いた数」と見るのが「加法の見方」で、「6の4倍」とか「3の8倍」のように見るのが乗法の見方です。子どもは、この「乗法の見方」が得意ではありません。つまずく子どもがかなりいます。
「どちらが上か?」「どちらが勝ってるか?」
教科書などでは、割合の学習には、①「シュート」の数で比べる、②「学年でサッカークラブに入っている子ども」を割合で表すことのように、2つのパターンの学習があります。
子どもたちにとって、興味を持ちやすいのが、「どちらが上か?」「どちらが勝ってるか?」でしょう。それを知りたいという気持ちが「主体的な学び」を生み出します。
新聞には、このような「算数のタネ」がいっぱいあります。
今ならば、新型コロナの感染者数です。単純に感染者の数で比べるのが「差」で、例えば10万人あたりの感染者数で比べるのが「割合」です。自分たちの住んでいる都道府県と東京都や他の府県と比べてみることができます。
スポーツ欄も、「算数のタネ」の宝庫です。
野球で言えば、ホームラン王は「差」で比べて、首位打者は「割合」です。
ホームランもヒットも含めて、本当に一番のバッターを決めるとしたら、どういう数値にしたらよいでしょうか。
そうしたことを考えると、「割合」のもつ意味が、より深く理解できるのではないでしょうか。
サッカーは、「割合」はあまりでてきません。得点王は「差」です。優勝も勝率ではなく勝ち点を積み重ねた「差」によって決まります。
もし、サッカーの優勝を「割合」で決めることになると、結果はどうなるでしょうか。
算数が苦手でも、サッカーが好きな子どもなら、いろいろと考えてくれるのではないでしょうか。
こうしたことを繰り返して体験することで、「割合」で比べるよさ、意味、価値に気づいていくことができます。
学習の実際
・新聞の中から「多い少ない」「勝ち負け」など、数字で比べることを見つける
・それに関する2つ以上の数字を見つける
・どちらが上か、どちらが勝っているか、差や割合で比べ、理由を考えて説明する
学習のポイント
・正しいか、間違っているかよりも、数字を根拠に筋道立てて説明することができるかが大事です
・学校ならば子どもたち同士で、家庭ならば大人と、「多い少ない」や「勝ち負け」を議論してみるのもよい学習になりま
す。