第49回衆議院議員選挙結果から学ぶ
 
 10月31日の午後8時少し前から、ほとんどのテレビ局が衆議院議員選挙の特別な番組を放送していました。
 首都圏では以下の番組でした。


  NHK   7:55~「衆院選開票速報」
  日本テレビ 7:58~「ZERO選挙」
  テレビ朝日 7:58~「選挙ステーション」
  TBS   7:57~「選挙の日2021」
  テレビ東京 7:50~「池上彰の総選挙」
  フジテレビ 7:58~「Live選挙サンデー」


 午後8時になると、どの放送局も政党別のおよその当選者数がでました。午後8時に投票が終わり選挙に影響を与えることがないので報道するのです。でも、この段階では全く開票が行なわれていないのです。どうしておよその当選者数が分かるのでしょうか。それは、投票所で投票が終わった人への出口調査や事前の取材などをもとにして推測するのです。
 この仕組みについては、以下のホームページが参考になります。

  夜8時に「当選確実」なぜできる?開票前、当落予測の舞台 

 NHKの午後8時の画面です。

 

 

 

 

 この後、各選挙区の当選確実者や当選者の報道、比例代表での議席予測など一晩中選挙報道がなされました。民間のテレビ局はスポンサーとの関係がありますが、NHKは受信料と税金で運営されているので、一晩中の報道が可能なのでしょう。
 この8時での予測「自民 単独過半数ギリギリの情勢」は適切な予測だったのでしょうか。後の選挙結果と比べて判断してみましょう。
 

 

選挙結果はどうだったでしょうか


政党     当選合計  小選挙区    比例区(定数176)
            (定数289)  〔単独〕 〔重複〕
自民党    261    189      16   56
立憲民主党   96     57       0   39
公明党     32      9      23     0 
日本共産党   10      1       7    2
日本維新の会  41     16       0   25
国民民主党   11      6       0    5
れいわ新選組   3      0       1    2
社会民主党     1      1         0    0
NHK党     0      0       0    0
諸派       0      0       0    0
無所属     10     10       ―      ―
(無所属は比例代表に候補者を立てることはできません)

 

 比例区は全国を11のブロック(北海道、東北、北関東、南関東、東京、北陸信越、東海、近畿、中国、四国、九州)に分けブロックごとに各政党で順位を決め、上位の方から投票数によりドント式で配分し当選者を決めていきます。小選挙区と重複して順位が同じ方は、小選挙区での惜敗率(小選挙区で当選した人の票の何パーセントとれているか)で上位の方から当選者を決めていきます。
 今回小選挙区で注目された神奈川13区では、自民党の現役幹事長の甘利明氏が立憲民主党の太栄志(ふとりひでし)氏に敗れることが起きました。太氏は130124票、甘利氏は124595票を獲得しました。惜敗率の計算は124595÷130124=0.95750…となり、95.750%が甘利氏の惜敗率になります。その惜敗率の高さで比例代表南関東ブロックでの復活当選にこぎつけました。甘利氏は小選挙区での落選により岸田首相に幹事長の辞任を申し出ました。自民党の現職幹事長が小選挙区で議席を確保できなかったのは初めてのことです。
 もう一つ注目された選挙区に東京18区があります。ここには自民党前幹事長の石原伸晃氏が当選を続けています。この選挙区には公示直前にれいわ新選組の代表山本太郎氏が立候補の意向と報道されましたが取りやめになりました。以前から準備していた吉田晴美氏がいたのです。このことも話題になり注目されましたが、吉田氏が137341票を獲得し、105381票の石原氏を破りました。石原氏も比例区に重複していましたので、その惜敗率は105381÷137341=0.76729…となり、76.729%が石原氏の惜敗率になります。この惜敗率により比例代表東京ブロックでの復活当選には届かなかったのです。

 小選挙区と比例代表の仕組みについてもさらに調べてみましょう。

 

この結果から今回の衆議院議員選挙はどのような傾向があると言えるでしょうか
 新聞社とNHKのホームページの「衆院選選挙特集」を追いかけてみましょう。

 

  朝日新聞 読売新聞 毎日新聞 日本経済新聞 産経新聞 東京新聞
  NHK

 

 首都圏以外にもブロック紙や地方紙のホームページも参考にしてください。
  北海道新聞 河北新報 中日新聞 中国新聞 西日本新聞
  東奥日報 新潟日報 信濃毎日 神戸新聞 熊本日日新聞
  沖縄タイムズ

 

  住んでいる地域で発行している新聞社のホームページに注目しましょう。

 

 次の写真は選挙結果を報道する在京6紙の一面(11月1日朝刊)です。

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一面トップの見出しを比べてみましょう
  「自民、単独で安定多数」『日本経済新聞』
  「自民 単独過半数」『読売新聞』
  「自民後退 過半数は維持」『東京新聞』
  「自民堅調 絶対多数」『毎日新聞』
  「自民 単独過半数維持」『産経新聞』
  「自民伸びず 過半数は維持」『朝日新聞』

  新聞社によって同じ結果でも見出しが異なります。それぞれの見出しは結果のどこを重視して書いているのか考えてみましょう。