授業で役立つ教育事典
資質・能力の三つの柱
学びに向かう力人間性等
どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか
資質・能力の三つの柱
知識・技能
何を理解しているか何ができるか
資質・能力の三つの柱
思考力・判断力・表現力等
理解していること・できることをどう使うか
国語
言葉による見方・考え方
自分の思いや考えを深めるため、対象と言葉、言葉と言葉の関係を、言葉の意味、働き、使い方等に着目して捉え、その関係性を問い直して意味付けること
社会科
社会的事象の見方・考え方
社会的事象を、位置や空間的な広がり、時期や時間の経過、事象や人々の相互関係などに着目して捉え、比較・分類したり総合したり、地域の人々や国民の生活と関連付けたりすること
小学校
算数・数学
数学的な見方・考え方
事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え、論理的、統合的・発展的に考えること
理科
理科の見方・考え方
自然の事物・現象を、質的・量的な関係や時間的・空間的な関係などの科学的な視点で捉え、比較したり、関係付けたりするなどの科学的に探究する方法を用いて考えること
中学校
生活科
身近な生活に関わる見方・考え方
身近な人々、社会及び自然を自分との関わりで捉え、比較、分類、関連付け、試行、予測、工夫することなどを通して、自分自身や自分の生活について考えること
音楽
音楽科における「見方・考え方」
音楽に対する感性を働かせ、音や音楽を、音楽を形づくっている要素とその働きの視点で捉え、自己のイメージや感情、生活や文化などと関連付けること(小学校)
図画工作
図画工作科、美術科、芸術科における「見方・考え方」
感性や想像力を働かせ、対象や事象を、形や色などの造形的な視点で捉え、自分のイメージを持ちながら意味や価値をつくりだすこと
家庭科、技術・家庭科家庭分野
生活の営みに係る見方・考え方
家族や家庭、衣食住、消費や環境などに係る生活事象を、協力・協働、健康・快適・安全、生活文化の継承・創造、持続可能な社会の構築等の視点で捉え、よりよい生活を営むために工夫すること
技術・家庭科技術分野
技術の見方・考え方
生活や社会における事象を、技術との関わりの視点で捉え、社会からの要求、安全性、環境負荷や経済性等に着目して技術を最適化すること
保健体育
体育の見方・考え方
運動やスポーツを、その価値や特性に着目して、楽しさや喜びとともに体力の向上に果たす役割の視点から捉え、自己の適性等に応じた『する・みる・支える・知る』の多様な関わり方と関連付けること
保健体育
保健の見方・考え方
個人及び社会生活における課題や情報を、健康や安全に関する原則や概念に着目して捉え、疾病等のリスクの軽減や生活の質の向上、健康を支える環境づくりと関連付けること
外国語
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方
外国語で表現し伝え合うため、外国語やその背景にある文化を、社会や世界、他者との関わりに着目して捉え、コミュニケーションを行う目的・場面・状況等に応じて、情報や自分の考えなどを形成、整理、再構築すること
道徳
道徳科における「見方・考え方」
様々な事象を、道徳的諸価値の理解を基に自己との関わりで(広い視野から)多面的・多角的に捉え、自己の(人間としての)生き方について考えること
学習者の類型 C.O.Houle
目標指向型学習者 The Goal-Oriented Learner
資格を取る、技術を身につけるなど、学んだことを生活に役立てようという目標の実現のために学習する者です。
学習者の類型 C.O.Houle
活動指向型学習者 The Activity-Oriented Learner
政治活動、福祉活動などの社会活動をするために学習する者です。活動を通して、友人を得る、日常から解放されるなど、学習を通して得る知識以外に学習の目的をもちます。
学習者の類型 C.O.Houle
学習指向型学習者 The Learning-Oriented Learner
学習そのものに意義を見いだし、学習すること自体を目標とする者です。
この3つの類型は、それぞれ独立したものではなく、一人の人間の中に、それぞれが重なり合って存在しています。それが、学習場面、内容、などに応じて表れてきます。 例えば、歴史が好きで歴史を勉強するというのは、学習志向型とも言えますが、それが受験に役立つとなれば、目標志向型が現れてきます。 この学習者の類型は、主に生涯学習についての研究でよく使われているものです。
教授法
発見学習
知識や問題解決の方法を学習者自身が発見していく方法
学習意欲が高まり、主体的な学習が期待できるというメリットがある。反面、綿密なカリキュラムが必要で時間がかかるというデメリットもある。また、実施可能な教科は限られている。
教授法
受容学習
最初に知識や問題解決法を学習者に与え、それの真偽を確認する過程を通して学習する方法
知識を伝達するには効果的な方法で、どのような学習内容にも対応できる反面、学習者が受動的になるため学習の動機付けが必要になる。
教授法
機械的学習
公式、英単語、年号などの暗記のように、理解する必要、意味を考えずに行う学習
教授法
有意味学習
機械的学習に対して、学習する意味、学習内容の意味を理解しながら進める学習
アメリカの教育心理学者であるオースベルは、学校教育では、有意味受容学習がが最も重要であると指摘している
友人選択の要因
相互的接近
教室での席が近い、通学路が同じ、家が近いなど、外的な要因によるもので幼児期から低学年までに多い
外的要因に影響されるため、それが解消される(席が離れる)と関係が解消されるため、短期間の関係になりやすい
友人選択の要因
同情・愛着
親切だ、感じがよい、明るい、かわいいなど内的な情緒的な要因によるもので、6歳から12,3歳程度までに多く見られる
友人選択の要因
尊敬・共鳴
知的に優れている、人格的に優れている、考え方が一致するなど、内的な要因によるもので、年齢とともに影響力も強くなる
この要因による友人の選択は、長期間の関係になりやすい
友人選択の要因
集団協同
教え合う、助け合うなど、協力関係によるもので、児童期後半まではあまりみられないが、年齢とともに影響力も強くなる
道徳性の発達過程 L・コールバーグ
第一段階
罰と服従への志向:罰のあるなしという物理的な結果のみによって善悪を判断する
道徳性の発達過程 L・コールバーグ
第二段階
道具主義的相対主義志向:自己の欲求の充足のみが正しい行為とする
道徳性の発達過程 L・コールバーグ
第三段階
対人的同調あるいは「よい子」志向:多数派あるいは習慣化された行為に同調する
道徳性の発達過程 L・コールバーグ
第四段階
「法と秩序」の維持への志向:法と社会的秩序の維持を善とする
道徳性の発達過程 L・コールバーグ
第五段階
社会契約的な遵法主義志向:人権や規範、合意や契約に基づいたものを正しい行為とする
道徳性の発達過程 L・コールバーグ
第六段階
普遍的な倫理への志向:公正、人間の尊厳等の自己の選択した倫理に照らして自己の良心が善悪を判定する