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Private Elementary School

Research Institute

私立小学校とは


私立小学校は私立学校法に基づき学校法人が経営する小学校及び、構造改革特別区域では民間企業や法人が設立する小学校のことです。2022年4月現在で日本には240校あると考えられます。日本の小学校全体のおよそ1.3

%の数です。この1.3%の学校に現在は多くの希望者が押しかけています。一時リーマンショックや東日本大震災の影響により受験者の数が減ったとされていましたが、少子化にもかかわらず現在では受験者が増加傾向にあります。
私立小学校を分類するにはいくつかの観点があります。小学校に入学しその後どのようなコースをたどるのかの観点です。そのコースには、①大学まで進学できるコース。このコースには2つのパターンがあります。1つは多くの人が大学まで行くコース。首都圏で言えば慶應義塾幼稚舎、青山学院初等部、立教小学校、早稲田大学系属早稲田実業学校初等部など。まだ大学進学実績はありませんが、慶応義塾横浜初等部などもこのコースでしょう。もう1つは大学への進学は少なく他大学を受験するコース。東洋英和女学院小学校や白百合学園小学校がこのコースにあたります。②大学はなく進学高校へ進むコース。雙葉小学校、東京女学館小学校、暁星小学校などがこのコースです。③中学を受験するコース。大学の付属中学や進学中学に進むコースです。国立学園小学校、洗足学園小学校などがあります。
女子校、男子校,共学校かの分類があります。現在(2022年4月現在)、女子校は23校、男子校は3校、共学校214
校という状況です。男女の特性を踏まえそれぞれの学校には教育方針があります。
宗教系の学校かそうではないかの分類があります。キリスト教(カトリック、プロテスタント)、仏教、新宗教というように分けられます。さらに細かい分け方もできます。田園調布雙葉小学校はカトリックの幼きイエス会を設立母体とし、聖心女子学院初等科はカトリックの聖心会を母体としています。青山学院はプロテスタントのメソジスト、立教小学校はプロテスタントの聖公会を母体としています。このようにキリスト教のカトリックとプロテスタント、仏教、新宗教もそれぞれ宗派があります。
私立小学校の全国的な組織、日本私立小学校連合会に加盟しているかどうかの分類です。日本私立小学校連合会に加盟している小学校では次のような研修をしています。全国私立小学校夏期研修会のような全国の加盟校が参加しての研修、北海道・東北地区、関東地区、東京地区、西日本地区、九州地区の地区別の研修などをしています。私立小学校の先生方が一同に顔を揃え研修に励んでいます。

小学校から大学まで一貫した学校


 私立小学校に入学させる保護者の意向として、大学までエスカレーター式に行くことができることは多いのではないでしょうか。そこに私立小学校のブランド力があることも事実でしょう。最近の雑誌に興味深いデータが掲載されていました。小学校から大学まで一貫した私立小学校のブランド力がうかがえました。
『プレジデント Family』2019年夏号、プレジデント社。
この号に「早慶MARCH関関同立 最強付属校完全マップ」という頁がありました。付属校から大学までどのようなルートがあるかというものです。
 数値はすべて2018年のものです。倍率は大学通信提供。

 

慶應義塾幼稚舎 倍率 11.6  初年度納付金 154万6480円
 慶應義塾幼稚舎→慶應義塾普通部 慶應義塾中等部→慶應義塾高等学校 慶應義塾志木高等学校 慶應義塾女子高等学校 慶應義塾湘南藤沢高等部→慶應義塾大学 内部進学率98.4%からほぼ全員進学
 慶應義塾幼稚舎→慶應義塾湘南藤沢中等部→慶應義塾湘南藤沢高等部→慶應義塾大学 内部進学率99.6%
 

慶應義塾横浜初等部 倍率 13.0 初年度納付金 186万円
 慶應義塾横浜初等部→慶應義塾湘南藤沢中等部→慶應義塾湘南藤沢高等部→慶應義塾大学 内部進学率99.6%

早稲田実業学校初等部 倍率 8.9 初年度入学金139万6000円
 早稲田実業学校初等部→早稲田実業学校中等部→早稲田実業学校高等部→早稲田大学 内部進学率96.7%

立教小学校 倍率 4.0 初年度納付金 159万2800円
 立教小学校→立教池袋中学校→立教池袋高等学校→立教大学 内部進学率86.3%

 

立教女学院小学校 倍率6.3 初年度納付金 142万2400円
 立教女学院小学校→立教女学院中学校→立教女学院高等学校→立教大学 内部進学率58.9%

 

青山学院初等部 倍率5.6 初年度納付金 147万3000円
 青山学院初等部→青山学院中等部→青山学院高等部→青山学院大学  内部進学率83.8%

 

横浜英和小学校 倍率2.2 初年度納付金 110万850円
 横浜英和小学校→青山学院横浜英和小学校→青山学院横浜英和高等学校
 →青山学院大学 内部進学率 ほぼ全員(2021年度以降)

 

浦和ルーテル学院小学校 倍率2.2 初年度納付金 100万5600円
 浦和ルーテル学院小学校→浦和ルーテル学院中学校→浦和ルーテル学院高等学校→青山学院大学 

 内部進学率 ほぼ全員(2030年度以降)

 

同志社小学校 倍率- 初年度納付金 148万1391円
 同志社小学校→同志社中学校→同志社高等学校→同志社大学 内部進学率86.0%

 

立命館小学校 倍率- 初年度納付金 145万9000円
 立命館小学校→立命館中学校→立命館高等学校→立命館大学 内部進学率71.4%

 

関西大学初等部 倍率- 初年度納付金 146万9000円
 関西大学初等部→関西大学中等部→関西大学高等部→関西大学 内部進学率71.9%

関西学院初等部 倍率- 初年度納付金 133万3000円
 関西学院初等部→関西学院中等部→関西学院高等部→関西学院大学 内部進学率92.6%。

 

 

 

 もう一つの雑誌は『AERA』2019.6.10号です。特集が「学力が伸びる中高一貫校」です。その中に「内部合格率の高い大学付属校」のデータがあります。
 前記の「早慶MARCH関関同立 最強付属校完全マップ」と重なることが多いのですが、付属の小学校がない学校のデータもあります。私立小学校を研究する際にその系列の中学、高校がどのような状況なのか理解するうえで参考になります。
(2019年、大学通信作成)

 

順位  学校名      卒業生数  内部合格者数  合格率(%)
1 慶應義塾志木      243    242    99.6 
  慶應義塾湘南藤沢    242    241    99.6
3 早稲田大本庄高等学院  323    318    98.5
4 早稲田大高等学院    487    479    98.4
  慶應義塾        680    669    98.4
6 早稲田実業学校     396    383    96.7
7 慶應義塾女子      205    194    94.6
8 明治大付明治      288    258    89.6
9 法政大第二       624    548    87.8
10 明治大付中野八王子   314    271    86.3
  立教池袋        146    126    86.3
12 法政大         225    192    85.3
13  中央大附        347    292    84.1
14 青山学院        407    341    83.8
15 東海大付高輪台     452    375    83.0
16 明治大付中野      407    331    81.3
  立教新座        320    260    81.3
18 日本大豊山       484    380    78.5
19 日本女子大附      374    280    74.9
20 東海大付相模      548    405    73.9

 

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