私は、この科を普通の学校といふよりは、文芸修行者のための一つの道場として考へてゐる。教えるとか、詰め込むとか、暗誦させるとかいふようなことに重きをおかないで、学生みづからが自身の力で「味はふ」「端的に会得する」「自分の中にある芽を伸ばす」さういふ点に主眼をおいていゐる。すなはち他動的でなしに、学生自身をしてみづから工夫発明させることを念としてゐる。※この科:明治大学文芸科