Let's learn Newspaper Literacy
新聞リテラシーを身につけよう
新聞に代表されるニュースは、ネットで配信されるものも含めると、その量は膨大で、日々増え続けています。
そうしたことからも、国際的な学力調査であるPISA調査でも、ニュース記事から読み取る問題が出されました。そこで課題とされたのが、次の図です。
「情報の質と信ぴょう性を評価し、自分ならどう対処するか、根拠を示して説明する」ことが、世界各国の平均的な正答率と比べて日本の子どもたちが低いことが明らかになりました。こうした状況を踏まえて、私たちは、子どもたちに「新聞リテラシー」を身につけさせる必要を強く感じていました。
PISAでは、読解力(Reading literacy)を次のように定義しています。
自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,効果的に社会に参加するために,書かれたテキストを理解し,利用し,熟考する能力。
それを受けて、新聞リテラシーを次のように考えました(子ども向けにやさしくしています)。PISAで明らかになった課題「情報の質と信ぴょう性を評価し、自分ならどう対処するか、根拠を示して説明する」に対応するものです。
新聞の情報を、鵜吞みにしないで、批判的に読み取っていく姿勢を身に付けること
そのためには、新聞を比べて読むことと新聞の情報を多様なメディアからの報道を通して検証していくことが重要な役割を果たします。今後はネットからの情報を通しての検証が不可欠かもしれません。
それでは、新聞はどのように読んでいけばよいのでしょうか。日本の新聞はアメリカの新聞と比べて、それぞれの新聞社の主張がはっきりしていないという指摘があります。それでも在京6紙を比べてみて、保守的な論調と進歩的な論調が目立つことで2つに分かれることがあるようです。ですから、立場の違う新聞を読んでいくこと、または立場が違う報道が日常あるということを意識して新聞を読んでいくことが必要なことでしょう
NIEが日本でスタートしてから新聞リテラシーも大きな課題にはなってきました。しかし、新聞リテラシーを意識しての実践はそれほど多くはなく、ずっと抱えてきた問題であったように考えます。
私が実践してきたことは、
・一つの新聞報道をその時だけで理解するのではなく、記事をある程度まで状況が明確になるまで追いかけること。
・新聞に掲載された「おわび」「訂正」などどのようなことだったか遡り記事を読み解いていく。
・大きな出来事の記事はいくつかの新聞で比べて、内容や表現の違いを見つける。
・新聞、テレビ、インターネット、本、雑誌などのメディアで異なるメディアへの批判を考えてみる。
・新聞社が現実にかかわるイベントやスポーツなどで主催者やスポンサーなどに配慮し記事の批判が鈍ることはないのかを考えてみる。
具体的にどう読むかを、次のページで紹介していきます。