世の中なるほど探検隊とは -子どもたちの「学びの地図」-
「大切なのは、疑問を持ち続けることだ。神聖な好奇心を失ってはならない。」
アインシュタインの言葉です。好奇心を持って探究するということが、学ぶことには必要です。
世の中には、いろいろなことが起きています。それを子どもたちが理解していくことの手助けをするのが「世の中なるほど探検隊」です。
世の中を探検するといっても簡単ではありません。実際の探検にも地図が必要なように、子どもたちの世の中探検のための「学びの地図」を、ここでは提供していきたいと考えています。
これからの学力-探究する力を育てよう!
これからの教育では、教わることから自ら学ぶことへの転換がひとつの課題です。
以前から夏休みなどに行われてきた「自由研究」を、もっと学校の学習に位置づけ、調査活動を試みたら自ら学ぶ力が確実に身につきます。
ここでは、世の中で現在から未来にかけて問題になっていくことであろうテーマを、メディア、五感、主権者の意識を活用して探求することを進めていきたいと思います。
【テーマの見つけ方、進め方】
まず、ニュースなどから「おや!」「なぜ?」と思ったことを見つけましょう。それがテーマの種になります。
例えば、今ならば新型コロナウィルスのニュースが新聞、テレビ、インターネットで伝えられています。そこでテーマを「新型コロナウィルスについて探ろう」と決めたとします。
全体のテーマが決まったら、次は新型コロナウィルスについて疑問に思ったこと、驚いたことなどを整理してみましょう。「なぜ外出しない方がいいのだろうか?(疑問)」「世界で500万人以上が感染したなんてすごい(驚き)」など、いろいろと出でしょう。
それを調べたり、まとめたりして積み重ねていくことで新型コロナウィルスの全体が見えるようになってきます。
ここでは、一人一人がテーマを見つけて調べてみることを基本としますが、次のテーマはぜひ考えてみてください。
1995年9月、スウェーデン、ストックホルムの公立ヘルスコーラン小学校を訪ね、ハンセン先生の5年生19人の学習を見ました。世界地図が黒板にかかっています。まず、二人の子どもが、最近関心を持ったスウェーデンと世界のニュースを世界地図で場所を示しながら発表しました。一人はイランとスウェーデンの卓球の試合を、もう一人はフランスのユダヤ人居住区で起きた爆弾事件を取り上げていました。発表の決まりとして、自国と世界のニュースを取り上げることになっているようです。
次に、子どもたち一人ひとり新聞を持ちました。最近の新聞から、関心を持ち、4、5週間かけて調べるテーマを探す活動に入りました。新聞の読み方が習得されているのか、一人ひとり自分なりの読み方をしていました。子どもたちが発表したテーマは、歌手のプレスリーの話題、エイズ問題、映画の暴力シーン、ボクシング選手フランク・ブルーノの話題、パルメ首相暗殺事件のなぞ、きのこの話題、フランスの核実験など。ハンセン先生が黒板に書き出したテーマは、25にもなりました。
これから、子どもたちは、4、5週間かけて、他の新聞、テレビ、図書などを活用して自分のテーマを調べていきます。その結果をレポートとして提出し、教室に置いたり、他の先生に見てもらい興味を持った先生のクラスに招かれ発表したり、親を招いて発表会を持つということでした。